マリさんの夫が平日昼間にトボトボと外を歩いている姿を同世代のご近所さんが目撃。表情が暗かったようで、「リストラにあったのではないか」と心配されてしまったという。事情を説明すればわかってもらえると思ったマリさん。ところが話をすると、ご近所さんは夫の肩をこう持ったそうだ。
「『ご主人、一生懸命お仕事してるんでしょ? 追い出したらかわいそうよ。電気代は仕方がないわ』と、逆にプチ説教されました。更に、『コワーキングスペースくらい行かせてあげたら? 図書館じゃ長居するのも厳しいと思うわよ』と、余計なアドバイスまでされたんです。
コワーキングスペースの料金を調べると、1日1000円ほど。近所にはないので電車代も往復300円ほどかかります。それなら自宅で仕事してもらったほうがいいですよね。同じ区画に住むご近所さんから指摘されてしまった手前、夫に自宅で仕事することを許可したんですが……機嫌が直らない夫は返事もしませんでした」
現在は、マリさんがパートに出ている日は自宅で作業、マリさんが休みの日は家を出て、どこかしらで仕事をしているそうだ。「ご近所さんからの目撃情報もないので、コワーキングスペースに行っているはず」とマリさんは推測していた。しかし、一点だけ気になることがあるという。
「その費用を請求してこないので、夫は自分の貯金からコワーキングスペース代を捻出している可能性が高い。手取り給料も増えず、お小遣いも増やせていないので、このままでは夫の貯金は減る一方です。子供の学費のこともあるのに……。
でも今の夫の状態では話し合いにも応じてもらえません。私の言い方がきつかったことは悪いと思いますが、家族のためを思ってやってきた結果が、こんなことになるとは……」
良かれと思った節電への取り組みが家族関係をギクシャクさせるきっかけになったとマリさんは振り返る。このケースのように、リモートワークの影響で電気代が上がった家庭は他にもあるのではないだろうか。夫婦の間で節電への意識に差がある場合、電気代節約への取り組みは一筋縄ではいかない側面もあるので、くれぐれも注意してほしい。