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久しぶりの「夏の旅行」に暗い影 旅先でコロナ感染・発症の悲惨シナリオも

新型コロナ感染拡大が夏の旅行にどう影響するか(写真/共同通信社)

新型コロナ感染拡大が夏の旅行にどう影響するか(写真/共同通信社)

 新型コロナウイルスの感染が再拡大している中、夏の旅行はどうすべきか──。3回目ワクチンの接種率が、全国民の6割を超えているにもかかわらず感染が拡大している最大の理由は、オミクロン株の変異株である「BA.5」への置き換わりが急速に進んでいるからだ。

 従来のオミクロン株「BA.1」や「BA.2」と比べ、どのような特徴を持っているのか。国際未病ケア医学研究センター長の一石英一郎氏が解説する。

「BA.5は、感染力、免疫抵抗性などは従来の株と比べて強力だといわれています。感染力に限ると、1.2倍ほど強いという報告があります」

 血液内科医の中村幸嗣氏が続ける。

「これまでのデルタ株などと異なり、たとえ数分でも、マスクを外して会話をすれば感染しているケースが見られます。エアロゾル感染の可能性を含めて感染効率が明らかに上昇しています」

 すでに、感染は“第7波”に入ったと言っていい状況だ。頼みの綱のワクチンも、効果が限定的だという。

「現在生産されているオミクロン用のワクチンは、オミクロン株のBA.1やBA.2を念頭にしている。しかし、BA.5は感染を制御する中和抗体をすり抜ける特徴を持っているとされています。これを『免疫逃避』と呼びます。それこそワクチン接種をしても、BA.1、BA.2に感染したことがあっても、BA.5に感染してしまうことが考えられる」(前出・中村氏)

 一方、重症化率や致死率はやや低く、入院率も低い傾向にあるという。

「しかし、あまりにも感染者数が増えた場合には、いくら割合が低くても重症者を含む入院患者の絶対数が増え、医療ひっ迫が起こる可能性は充分に考えられます」(前出・一石氏)

 BA.5への置き換わりは、都市部より地方で急速に進んでいる。感染が急拡大した島根県では、7月7日に飲食店の利用制限を全国に先駆けてスタートした。

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