世界的な混乱や円安などの影響で続く物価高は、さまざまな人の生活に影響を与えている。黒田東彦・日銀総裁は「家計が値上げを受け入れている」と発言し、国民の怒りを呼び起こし、後に謝罪し撤回する事態となったが、値上げラッシュの波はもはや、家計にとって受け入れがたい水準になっているのではないか。女性セブンの名物記者・オバ記者こと野原広子さん(65才)が、身近で実感した値上げについて綴る。
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物価高、なんて生やさしいものじゃない。「なんだとぉ!?」と思わず声が出るようなことが続いているんだわ。
「今日から2万円値上げです」なんて、これまで聞いたことある? 思わず、「に、にまんえん?」って聞き返したわよ。
丸4年使ったスマホの機種変更の相談をしようと秋葉原のヨドバシカメラへ行って、人気の「iPhone 13 Pro(256GB)」と口走ったら店員さんからそう言われたの。
最近ヒマさえあれば、スマホでYouTubeの画面を開く私。いろいろなYouTuberがわかりやすくスマホの新機種の特徴を紹介してくれているんだけど、誰もが上位にあげていたのがそのiPhone 13 Proだったんだよね。
値段が13万円強という段階でスマホというよりパソコンの値段だし、でもまぁ、店頭で説明を聞いて、「よっしゃ~、いてまえ~!」と弾みがつけば買ってもいいかな、どうせローンだしと半ば決心をしかけていたんだけど、「2万円上がって15万円ナリ」では話にならない。
てか、買えない腹いせに言わせてもらえば、「今日から値上げ」なんてケチがついたスマホ、おぉイヤだ! 「理由ですか? それがよくわからないんですよ。急に決まったみたいで」と売り場のお兄さんも困り顔だ。
実は前々からスマホ内のカレンダーに丸印をつけて、この日にスマホとルーターを機種変更する気満々で売り場に行ったの。というのも、携帯業界にはガラケー時代から何度も「解約可能期間」で痛い目に遭わされてきた。もうあの思いはしたくないもの。
ところが、期限を越えたら利用料が高くなるというシバリはなくなっていて、「特に問題がなければ、買い替えなくてもいいんじゃないですか」というお兄さんのひと言で一件落着。