もちろん、完全キャッシュレス化を大歓迎するという意見も多い。
「完全キャッシュレス化にすることで、コンサートのグッズ売り場は以前よりスムーズに進むようになりました。係員もお釣りの計算をしなくていいから、ラクそうです。ただ、客の立場からすると、現金だったら使いすぎるとすぐわかりますが、キャッシュレスだと気にせず大量にグッズを買いがちだという問題はあります」(Cさん)
特に音楽イベントの場合、収益の面でもグッズ販売はとても重要なもの。だからこそキャッシュレス化を進めることで、より多くのファンにたくさんのグッズを買ってもらおうという思惑もあるという。
「CDが売れなくなってきたことで、コンサートに軸足を置くアーティストが増えています。そうなると、コンサート会場で販売されるグッズで、いかにしてファンを喜ばせるかということが重要になってくるんです。
その結果、グッズの種類も増加傾向になるわけですが、そうなると、一人当たりの購入量も増え、また種類ごとに『これなら欲しい』というファンが出てくる。すると、今度は売り場として“いかに客をさばいていくか”という問題が生じます。グッズの争奪戦も起きるし、購入者の列が長すぎて、開演時間までにすべての客をさばききれないことも珍しくない。
そういった状況にあるなか、キャッシュレス化することで時短にもなるし、より多くのファンにグッズを買ってもらえる。完全キャッシュレス化によってグッズを買いづらくなる現金派のファンもいますが、それ以上に多くのファンがグッズを買いやすくなっているのは間違いないでしょう」
時代の流れとともに導入が進んでいく、コンサートやスポーツイベントでの電子チケットとキャッシュレス化。エンターテインメントを存分に楽しむために、スマホは必須アイテムとなりつつあるようだ。