動画サイトに投稿されているトレーニング動画を参考にして、体を鍛えているという人も多いかもしれない。しかし、筋トレのやり過ぎには注意が必要だ。筋トレのせいで倦怠感や腰痛に襲われる事態になってしまった50才パート女性の実体験をもとに、専門家がアドバイスする。
「筋肉をつけたのに、腰痛に…」
結婚して25年、2人の娘を育て上げ、気づけば結婚前よりも体重が20kg増。そこで、一念発起して、筋トレを始めたんです。YouTube動画でイケメンのトレーナーを探して始めたのですが、このトレーナー、とにかくほめてくれるの。普段ほめられることに飢えていた私にはたまりませんでしたね。
食事も彼の言う通り、たんぱく質を中心にしたメニューにしたら、70kgあった体重が、わずか6週間で5kg減。しかも、目に見えて体が引き締まったんです。数十年ぶりにくびれと再会した途端、ハマりましたね。
「腹筋を割りたい!」と本気で思うようになりました。それで、腹筋運動を中心に、1日1時間、毎日欠かさず筋トレを行いました。
半年ほど自宅でトレーニングを続けましたが、物足りなくなり、コロナ自粛が和らいだタイミングでスポーツジムへも通い始めました。でもこの頃から、頭痛に悩まされるようになったんです。そのうちに、ひざや腰にまで痛みが……。家事すらつらくなり、休んだ方がいいかなと思いましたが、「ここまで毎日続けたのだから、続けないともったいない」と思ってしまう……。
筋トレを始めて1年、筋肉がついた健康的な見た目をしているのに、慢性的なだるさや倦怠感が続くようになり、腰痛もさらに悪化。痛み止めが手放せなくなり、整形外科に駆け込んだところ医師に、「オーバーユース症候群の可能性があります」と言われました。