そして、いきなり断酒をするのではなく、徐々に酒量を減らしていくのだという。
「たとえば、アルコール度数9%のお酒を飲んでいたら、7%のものに変える。これだけでも大きな進歩です。いきなり断酒をしてしまうと、リバウンドもあります。無理をしない範囲で、時間をかけて徐々に減らしていくのです」
自分を責めず、恥ずかしいと思わずに受け入れていくことが大切なのだ。前出の女性は不安や孤独を解消することで、うまく断酒ができた好例かもしれない。
【プロフィール】
吉本尚さん/筑波大学医学医療系地域総合診療医学(附属病院総合診療科)准教授。大学病院では初めてアルコール低減外来を開設。アルコール依存に苦しむ患者に寄り添う医療を続ける。テレビ番組の出演や雑誌の寄稿も多数。
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2022年8月4日号