都心には多くの自治体のアンテナショップがひしめき合い、ぶらり巡れば都心にいながらにして旅気分を味わえる。その歴史と役割、人気動向に注目した。
「アンテナショップとは単なる観光物産案内所でなく、自治体が主体となって地域の多様な情報を受発信するとともに、特産品販売施設や飲食施設を設置している、貴重な地域プロモーションの場です」と話すのは、地域活性化センターの畠田千鶴さんだ。
現在、都道府県設置のものが37、市区町村設置のものが25あり、銀座・有楽町エリア、東京・日本橋エリア、新宿エリア、渋谷・青山エリアなどを中心に分布。これらを歩けば、旅行気分を楽しめる。
店で旅行パンフを求め、客層も楽しみ方も異なる
今回注目するのは都道府県のアンテナショップだ。
「弊社では 2017年から都道府県が設置した店舗に関しての『アンテナショップ利用実態調査』を毎年実施しています。2万人以上を対象に“どこのアンテナショップを利用しましたか?”といった質問で継続して利用状況をウオッチしていますが、最近は旅行代理店が街中から激減し、旅行パンフレットをアンテナショップで集める人が増えたことがわかっています」
そう話すのはブランド総合研究所・代表で地域活性化アドバイザーの田中章雄さんだ。
「さらに興味深いのは、アンテナショップによって客層や楽しみ方が異なる点でしょう」(田中さん・以下同)