多くの鳥類は春から夏に繁殖期を迎えるため、夏の終わりは鳥の数がピークとなる。本誌『女性セブン』の読者アンケートでは1389人が鳥害に遭っていることが判明。なぜそんなに「鳥害」が広がるのか。
「ゴミ置き場に群がるカラスに威嚇される」(51才・主婦)、「庭の野菜が食い荒らされる」(36才・パート)、「ハトがよくベランダに来てフンもしていく」(48才・パート)、「鳴き声がうるさい」(48才・自営業)など、読者から寄せられた有害鳥類の被害は圧倒的にゴミ・フン・騒音に関するもので、鳥種未詳の回答もあったが、主な犯人はハト、カラス、ムクドリだった。
「私たちへの相談も、ハト、カラス、ムクドリ、スズメのフン害や営巣に関するものがメインです。個人宅になると約8割はハト被害ですね」と言うのは、さまざまな建物の鳥害対策を行う、日本鳩対策センターの大橋美都里さん。
「個人で手に負えない事例としては、マンションのベランダの室外機やプランターのすき間などに、いつの間にかハトが卵を産んでいたというケースが多い。一戸建ての場合は、太陽光パネルと屋根の間に巣を作られ、屋根から卵が転がり落ちてきて初めて気がついたという方もいました」(大橋さん・以下同)
さすがにタワーマンションの高層階にまでは来ないでしょ、と思ったら、「実は、低層階より高層階のかたの方が、被害相談は多いんですよ。高層になればなるほど、ハトはカラスや猫などの外敵から身を守れますからね」とのこと。どこに住んでいようと、鳥害は他人事ではないようだ。
フン害の悩みも尽きない。
「ハトは食欲が旺盛で、1日に体重の10分の1もの量を食べ、その都度排泄します。鳥全般そうですが、これは飛ぶときに体を軽くしておく必要があるためです。特にハトはフンの量が多く、ニオイがひどい、洗濯物が外に干せないという相談を常に受けます」
なぜハトの被害だけが突出しているのか?
「たとえばカラスは、春から初夏の繁殖期は攻撃的になりますが、基本的に人間になつきません。その点、ハトは人を怖がりません。市街地に多いドバトなどは、樹木ではなく岩山に巣を作る習性があり、それに似たビルやマンションがすみやすい環境として営巣の対象となるからです」
そもそも、ドバトは伝書鳩が野生化した鳥。人慣れしていて図々しいと怒りたくもなるが、人間がそうなるよう飼い慣らした側面もある。