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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

自分が行く店は「グルメサイトの評価、低くあれ!」と切に願う常連心理

飲食店が勝手に「通信簿」をつけられる理不尽

 あと、一見客が「グルメサイトの評価が高かったから行ったのに、それほどでもなかった……」なんて、好き放題書き込むこともあります。なんなんですかね、この現象。元々グルメサイトが隆盛を極める前は、ミシュランや各種雑誌が責任と覚悟を持ってお店に評価を下していたものです。彼らはきちんと看板を背負い、名店を紹介していた。

 一方、グルメサイトに書き込みをする人はその時の感情で評価をする。思い返せば、子供時代、学校に「通信簿」をつけられました。あれに対して納得できない、と感じたことがある人は多いと思います。今、飲食店は日々、不特定多数の一見客から通信簿をつけられまくられている状況です。

 もしも「取引先従業員ログ」というサイトが登場したとしましょうか。それは、あなたのようなビジネスパーソンが出会った人から勝手に評価されるサイトです。それも長い目で見ていいところを探してくれるのではなく、たった一度の印象をもとに評価が下される。そこで低評価をつけられたら、反発したくなりますよね? 飲食店は日々そうした勝手な評価に晒されているのです。書き込む側も一瞬の悪い感情で低評価をするのではなく、良いと思ったら書く、という判断でもいいのでは。

 飲食店も個々人のビジネスパーソンも、「評価される」という意味では同じです。私は自分が、そして仲のいい人が勧める飲食店を「良店」と認識します。グルメサイトの評価は一切参考にしません。店の場所がわからない時に、そこに表示された地図を見ることはありますが。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『よくも言ってくれたよな』(新潮新書)。

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