9月は「防災月間」。災害が起きたときのために、しっかりと準備をしておくことが重要だ。そして、いざというときに役立つのが、キャンプ用品だ。ここでは、場所や状況に合わせて、“あると便利”なキャンプグッズを3人の達人に聞いた。
自宅避難
外出が危険な場合や避難所に人があふれて入れない場合、特に大都市では自宅避難が現実的となる。アウトドアライフアドバイザーの寒川一さんが言う。
「土砂災害や浸水・倒壊の危険がなく、雨露がしのげれば、カセットコンロかバーナー、カセットガスの備蓄、それに水と食料があればライフラインが止まってもある程度の期間は過ごせます。テントは必要ないですが、停電の場合、ランタンがあった方がいいですね」
支援物資が届くまでに予想以上に時間がかかることもある。食料品などは少し多めに備蓄しておこう。
車中泊
車で避難した場合に座席シートで眠るのは危険。
「車中避難した人が無理な姿勢で車中泊をしてエコノミークラス症候群で亡くなる例が後を絶ちません。シートを倒して毛布やクッションで平らな場所を作り、その上で寝袋に入って眠るのがおすすめ。食事はミニテーブルがあると重宝します」(寒川さん)
のぞかれないよう窓を覆う必要もある。キャンプコーディネーターでママ防災士の三沢真実さんが言う。
「車種に合った遮光シェードがあると便利ですが、最低でも新聞紙とテープがあれば、視線を遮ることができます」
避難所
避難所に行くことになった場合、感染予防のために間隔をあけて収容する避難所なら、シュラフ(寝袋)やマット、サンシェード(目隠し)、テントを持ち込める余地があるかもしれない。
「最低でもマットと寝袋があると床の冷たさを緩和でき、体の負担が軽減されます。状況が許せば、フルクローズドサンシェードや自立式小型テントがあると視線を遮ることができます。熊本地震では、テントの支援物資がいちばんありがたかったという被災者が多くいました。テントがあれば避難所の外で寝ることもできるので、応用がききますよ」(三沢さん)