寒暖対策
体育館などで避難生活を送る際は、キャンプでの寒暖対策のコツを知っておくと、体への負担を多少軽減できる。
「銀マットは、夏は銀面を下に、冬は銀面を上にするのがコツ。暑いときは涼しく、寒いときは暖が取れます」(三沢さん)
「シュラフにくるまっても寒い場合、20~30リットル程度の大きめのザック(リュック)があれば、中身を出してシュラフごと足を突っ込み、はいてしまうのも有効。ナルゲン社などの耐熱の広口ボトルが手元にあれば、お湯を入れてフタを閉め、靴下を履かせれば湯たんぽ代わりにできます。これも、しっかりと暖を取るための裏技です」(寒川さん)
トイレ
水道が止まると困るのがトイレ。「私のおすすめは『PATATTO』という折りたためる椅子です。普段は椅子として、災害時は座面を外してゴミ袋をセットすれば簡易トイレとして利用できます。携帯トイレ袋付きのセットもあって便利ですよ」(三沢さん)
簡易トイレが用意できない場合は、広口ボトルを利用する方法も。
「広口ボトルが尿瓶代わりになります。女性にはちょっと抵抗があるかもしれませんが、トイレをがまんするのがいちばん体に悪い。実際、山に登る人たちは冬山のテントの中で広口ボトルを使って用を足しています」(寒川さん)
そのほか、レジ袋などに新聞紙を敷き詰めて用を足すなど、状況に応じて工夫することが大切だ。
【プロフィール】
寒川一さん/アウトドアライフアドバイザー。『焚火カフェ』主宰。UPIアドバイザー。災害時に役立つアウトドアの知識を伝える啓蒙活動を展開。近著に『「サボる」防災で、生きる』(共著、主婦と生活社)などがある。
三沢真実さん/キャンプコーディネーター、ママ防災士。アウトドア事業『CAMMOC(キャンモック)』の合同代表を務め、著書に『はじめてのドライフード』(山と渓谷社)。2019年からは「SDGs防災キャンプ」を提唱し防災啓蒙活動をしている。
FUKUさん/キャンプ系YouTuber。キャンパー歴14年。キャンプギア(用品)の収集癖を生かし、YouTubeで情報を配信している。登録者数30万人超。最近は、アウトドア用品のアドバイザーや商品開発も手がける。
取材・文/北武司
※女性セブン2022年9月15日号