反騰や反落を繰り返しながらも、日経平均株価は3万円を目指す展開が続いている。とはいえいくら株が上昇しようと、株投資をしていなければその恩恵は受けられない。日本株上昇の「大波」が期待されるなか、「株に興味はあるが、敷居が高そうで手が出せない」という人のために、マーケットアナリストの平野憲一氏(ケイ・アセット代表)が解説する。
「株売買を始めるにあたっては、証券会社に取引口座を開設することがはじめの一歩になります」(以下、「 」内同)
証券会社を選ぶ基準は、一般的に手数料の安さや取引商品の多さ、サービスの充実度を目安にするという。
近年は手数料の安さからネット証券を選ぶ人が増えている。1約定(株式売買の取引が成立すること)ごとにかかる手数料を比較した場合、例えばある大手ネット証券では取引金額10万円以下で99円だが、店舗を持つ総合証券会社のオンライン取引では同152円と50円超の差がある。
「これだけを見ればネット証券が有利ですが、ネットが苦手な人、銘柄選びや売買のタイミングなどで助言が欲しい人には、店舗で対面取引ができる証券会社をお勧めします」
証券会社を決めたら、続いて口座開設の手続きを行なう。
「近年は、証券会社のホームページからインターネットで申し込むのが主流です。この場合、表示される取引約款や規定などを確認し、必要事項の入力や本人確認書類の提出をオンライン上で行なえば、申し込みは完了。後日送られてくる口座開設の通知を受け取り、マイナンバーを登録すれば、株取引が開始できます。店舗や郵送での申し込みも可能で、いずれの方法でも、証券口座の開設に費用はかかりません」
証券口座が開設できたら、資金の準備に移る。最初はどれくらいの金額が必要なのか。
「基本的に、株の購入は最低取引単位の1単元(100株)で行なわれるため、株価1000円の銘柄の最低購入金額は10万円となります。東証プライム市場全銘柄の平均株価は2400円程度ですから、24万円程度の資金があれば、プライム市場の約半分の銘柄が買えることになります」