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マンホールに勝手に洗濯排水を流す住民にオーナー怒り 弁護士は「まず理由の確認を」

 また、洗濯排水を小さな穴から流したことで汚水槽があふれたのは、各戸の排水設備に備えられている枡(排水管同士を接続しているもの)を経由せず、一度に大量に排水したことから起きたのかもしれません。

 下水道法では公共下水道の施設に損傷があると、原因行為をした者に修繕工事費用を負担させることになっていますが、あふれた程度では損傷があったか疑問です。もしこっそりマンホールにゴミや空き缶などを捨てていて、その結果下水道に支障が生じれば修復が問題になりますし、廃棄物処理法違反にもなります。

 とはいえ、やはり疑問なのはなぜ直接マンホールに流したかです。洗濯機置き場の排水が機能していないからだとすれば、アパートの排水設備やその管理が問題になります。勾配が不充分で流れなかったり、詰まっていたりすれば、アパートの大家であるご両親の修繕義務が問われる可能性があります。しかし、パイプ詰まりの原因が住人の不適切な利用であれば、住人の使用方法の違反になります。

 もし洗濯排水のマンホール流し込みの理由がわからないのであれば、まずその点を確認するのが先だと思います。

【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。

※女性セブン2022年9月22日号

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