2020年4月に施行された改正健康増進法の施行で、カフェや居酒屋でも全面禁煙の店舗が増えた。そこに新型コロナウイルスの感染対策で、喫煙所の封鎖・廃止が相次ぎ、行き場をなくした「喫煙所難民」の問題がクローズアップされている。
喫煙者が我慢を強いられる状況が続く中、注目されているのが民間企業によるサブスクリプション形式の「有料喫煙所」の取り組み。レンタル・シェアオフィス事業を手掛けるNUWORKSが、秋葉原のビル内に月額2200円の有料喫煙所を設置したことが報じられているが、はたして有料喫煙所は喫煙所難民の救世主になり得るのか。「吸う場所にもお金がかかる」問題について、喫煙者・非喫煙者たちはどう思うのか、話を聞いた。
「税金払っているのに、さらにお金がかかる…」喫煙者の複雑な心境
喫煙者の40代男性・Aさん(メーカー勤務)は、有料喫煙所は「個人的にはあり」だと考えている。
「喫煙者によって意見が分かれるところですよね。私は吸うなら気持ちよく快適に吸いたいので、“あり”ですね。喫煙所に並んだり、ぎゅうぎゅう詰めになってしまう環境は、快適とは言い難いですから。私は普段、飲食しながら吸うタイプではないので、価格次第では、喫煙可能な喫茶店に行くよりもコスパは良いように思います」(Aさん)
そうは言っても、たばこを吸う場所にお金がかかることには、少なからず違和感もあるようだ。
「去年、値上げされてメビウスは580円。ただでさえ、たばこを買う時に国や自治体に税金を納めているのに、屋内は原則禁煙などと制限がかかるなか、吸う場所にまでお金がかかるのは、ちょっと複雑な気持ちもあります」(Aさん)