外出制限を伴うコロナ対策が2年以上続いたことで、多くの人がライフスタイルの変化を余儀なくされている。日用品から家具・家電まで、ジャンルにかかわらず、店頭に出かける必要が薄まった「買い物」もその一つだろう。大手ECサイトからメーカー直販サイトまで、今やネットショッピングの選択肢は様々ある。そうした変化は、若者の買い物スタイルにどんな影響を及ぼしているのか。フリーライターの吉田みく氏が、都内に住む20代の女子大学生に話を聞いた。
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長引くコロナ禍の中で、現在20歳前後の、いわゆる「Z世代」の買い物事情が大きく変化しているようだ。読売広告社が18歳〜59歳の男女1100人(うちZ世代は300人)を対象に行った「Z世代 買い物行動調査」(2021年10月実施)によると、Z世代が「いい買い物をした」と思えた商品との出会いは、コロナ禍以前(2019年)は「店頭での遭遇」がトップを占めたが、2021年には「SNSでの遭遇」が最多となった。
その経験率が最も高かったのは「Instagram」(29.7%)で、2019年の14.3%と比べ2倍以上に増加。2位「YouTube」(25.3%)、3位「Twitter」(20.0%)と、2021年は上位をSNSが独占している。他の世代と比べても、Z世代は特に「SNS」を通じた、商品・サービスとの遭遇経験率が高い傾向だという。
都内在住の大学生リナさん(仮名、21歳)も、そのうちの一人と言えるかもしれない。最近、友人とのショッピングを新しい形で楽しんでいるという。
「中高時代は渋谷や原宿などで“オシャレ”で“安い”ものを友達と歩いて探していましたが、今ではそんなことしません。喫茶店でお茶をしながら、ネットで買い物をしています。過ごしやすい場所で、友達と『この服どうかな?』などと会話しながらの買い物はとても楽しいです。
自宅でビデオ通話をしながら一緒にネットショッピングをすることもあります。最近は(リアル店舗がない)ネットのみのショップも多く、わざわざ電車に乗って都心まで行く必要もありません。1万円も出せば、頭からつま先まで一式揃えることができるので、助かっています」(リナさん、以下同)
様々なサイトで買い物をしているリナさんは、インフルエンサーが紹介していたファッションECサイトにハマっていて、「オシャレな服が1000円台から購入できるのが魅力で、毎月のように購入しています」という。