昨今、持続可能な社会を目指す「SDGs」を意識した活動が注目されている。これまでネット通販の過剰包装が指摘されることも多かったが、その梱包を簡素化する取り組みも進んでいるようだ。とはいえ、時代の急速な変化のひずみなのか、商品を受け取る購入者たちからは“行き過ぎた梱包の簡素化”に不満の声も聞こえてくる──。
PCがなんの緩衝材もなく送られてきた
メーカーに勤める30代男性・Aさんは、「僕はもともと過剰な包装はいらないと考えているで、簡素化するのは大歓迎です。でも、例外もあると思うんです」と苦言を呈する。
「梱包が『雑』になっているのを感じることが増えました。例えば、HDDやメモリなどのPCパーツを壊れる恐れがないものと一緒の扱いにするのは、どう考えてもおかしいと思うんです。というのも、SSDを注文したら、何の緩衝材もなく、直接紙封筒に入れたれた状態で、送られてきたことがありました。幸い問題はありませんでしたが、少しくらいくるんでくれても……」(Aさん)
AさんはPCパーツだけでなく、ノートPCが梱包なしで送られてきたこともあり、戸惑いを隠さない。
「外箱に送り状が貼られた状態で送られてきた時は、『えー、マジかー』と声に出してしまいました。フリマサイトとかじゃなく、新品を店舗から買ってるんですよ。PCって“精密機器の集合体”なのに、何の緩衝材もなく送ってくるのは、さすがに……。メーカーの外箱は結構薄く、輸送に適しているようには思えなかったので、本当に驚きました」(Aさん)
中身の状態が悪く返品することが増えた
書籍や雑誌など、紙類の梱包にうんざりしている人もいる。アパレル業界で働く20代女性・Bさんは、「本はネット通販ではなくやっぱり書店で買ったほうがいい」と痛感するようになったという。
「もはやギャンブルに近い印象です。これまでは箱で、そのなかでも中身が動かないように工夫されていたり、緩衝材が入っていたりしたのですが、最近は紙袋にぽんっと入れられて届くことが増えました。本や漫画の角が折れていたり、シワが寄っていたりするのは“あるある”です。この前、ノートをまとめ買いしたら、やっぱり紙袋で、角が少し折れていました。紙袋でもいいんですけど、なかに1枚ダンボールを挟むとか、梱包に工夫がほしいです。紙製品はネットではなく、リアル店舗に行って状態を確認して買う方が安心できます」(Bさん)