投資情報会社・フィスコが、株式市場の9月12日~9月16日の動きを振り返りつつ、9月20日~9月22日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で647.1円安(-2.29%)と大幅反落。2週ぶりに大きめの陰線を形成し、終値では回復したばかりの52週移動平均線のほか、13週線も下回った。
週明け12日の日経平均は327.36円高で28500円台を回復。前の週末の米株式市場で長期金利の上昇が一服し、ナスダック総合指数が大幅に上昇した流れを引き継いだ。13日は72.52円高と小幅ながらも上昇。米8月消費者物価指数(CPI)の発表を前に様子見ムードが強かったが、インフレ減速への期待から買いが優勢だった。
しかし、14日は796.01円安と急反落し28000円割れ。米連邦準備制度理事会(FRB)が重要視する食品・エネルギーを除いたコア指数を中心に米8月CPIが予想を大幅に上振れたことで米長期金利が急伸。ハイテク株を中心に急落したほか、過剰な金融引き締めが景気後退を招く恐れから景気敏感株まで広く売られた。15日は57.29円高と反発。前の日の急落の反動で買いが先行したものの、インフレ懸念がくすぶり、米長期金利が高止まりするなか、自律反発狙いの買いも限られた。
週末16日は308.26円安。米10年債利回りが6月来の高水準まで上昇したことで再び半導体関連などハイテク株を中心に売りが広がった。また、8月小売売上高など米国の経済指標が冴えなかったほか、米大手物流サービス企業のフェデックスが発表した6-8月期の暫定決算が予想を大きく下回ったこともあり、世界景気の後退懸念が一段と強まったことも売りに拍車をかけた。日経平均は27500円を手前では下げ渋ったものの、国内3連休を前に手仕舞い売りも出やすく、終日上値の重い展開となった。
今週の東京株式市場は様子見の後に荒れ模様か。国内は祝日に挟まれ立ち合いは3日に限られる。注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果とパウエルFRB議長の会見を織り込むのは最終日22日となるため、大半は様子見ムードが支配的となろう。英国金融政策委員会、日銀金融政策決定会合も開催されるが、日本は現状維持、英国では0.5pt以上の大幅利上げが予想される。いずれにせよ、重要視されるのは米国の動向となる。
米8月物価指標の結果を受けて、FF(フェデラル・ファンド)金利先物市場では20日から開催されるFOMCでの利上げ幅として0.75ptを完全に織り込み、1.00ptの利上げ確率も20%程まで高まる形となった。市場が織り込むターミナルレート(政策金利の最終到達水準)は、CPI発表前は来年3月頃をピークに4%程度だったが、CPI発表後は4.5%近くまで上昇した。米クリーブランド連銀のメスター総裁や米セントルイス連銀のブラード総裁は政策金利を4%以上に引き上げるべきと依然から主張していたため、ターミナルレートとしてはFRBが想定する水準まで市場の織り込みが追い付いたといえる。