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【日本株週間見通し】今週は様子見ムードか 米国の動向は注視

 織り込みが一気に進んだ分、FOMCでのサプライズの可能性は低くなり、短期的にはイベント通過後はあく抜け感から株式市場の反発も予想される。しかし、外部環境の不透明感がくすぶる中、持続性は疑わしいほか、FOMCでのサプライズの可能性もゼロではない。今回のFOMCでは政策金利見通し(ドットチャート)が公表される。前回6月時点でのFOMC参加者が予想する2023年末の政策金利の中央値は3.75%であり、今会合ではこれがどこまで引き上げられるかが焦点になる。現在、FF金利先物市場は来年3月頃の4.4%台後半をピークに、その後は緩やかな利下げを予想する形になっており、23年末の政策金利水準としては4.0%を予想している。

 しかし、パウエル議長はジャクソンホール会議で、家計や企業に痛みが伴ってでもインフレ沈静化を最優先にすることを主張しており、実際に景気が悪化したとしても来年中に利下げに転じる可能性は高くないと考えられる。パウエル議長は1970年台後半のウィリアム・ミラー議長時代の政策運営を例に挙げ、景気悪化に応じてすぐに利下げに転じた結果、インフレをぶり返してしまった過ちと、それを再び繰り返すことの危険性を指摘し、早期の利下げ転換はしないことを既に主張している。FRBと市場が予想する来年末の政策金利水準にはまだギャップがあり、この点がサプライズの余地を残しているといえる。FOMCの結果を織り込む東京時間22日は国内での立ち合いがこの週最後になるため、結果がネガティブなものとなれば、手仕舞い売りが膨らみ、日経平均の27000円割れも否定できないだろう。

 14日、東京証券取引所が公表した裁定取引に係わる現物ポジションでは、9月9日時点での裁定買い残は1兆4056億円と、2019年以降での最高水準に近い金額となっている。海外投資家の動向次第では、裁定売り圧力が強まり、需給面でも株価下落に拍車がかかりやすい状況といえる。

 今週は19日に米9月NAHB住宅市場指数、20日に8月全国消費者物価指数、米FOMC(~21日)、米8月住宅着工件数、21日に日銀金融政策決定会合(~22日)、8月訪日外国人客数、パウエルFRB議長会見、米8月中古住宅販売件数、22日に黒田日銀総裁会見、英金融政策委員会が予定されている。

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