投資情報会社・フィスコが9月26日~9月30日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円はもみ合いか。米連邦準備制度理事会(FRB)は金融引き締めを長期化させる方針で、ドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いものの、日本政府・日本銀行の円安けん制が意識されよう。FRBは20-21日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.75ポイントの追加利上げを決定。また、今後の金利見通しの目安となるドットチャートで、引き締めの長期化が示された。それにより来年の利下げへの思惑は後退し、金利高を手がかりとしたドル買いは継続しよう。
日銀は21-22日の金融政策決定会合で現行の金融緩和策を維持することを決定した。日米金利差のさらなる拡大はドルを押し上げる可能性があるため、日本政府・日銀は1ドル=145円を超えてドル高・円安が進行した場合、ドル売り・円買いの市場介入を実施するとの見方が出ている。ただし、市場介入が実施されても円安抑止の効果は限定的との見方が多いことから、ドル円は145円を明確に上抜けた場合、24年ぶり高値の147円60銭台を目指す可能性がある。
一方、欧州中央銀行(ECB)や英中央銀行など主要中銀も大幅利上げに前向きだが、欧州経済の先行き不透明感が深まるなか、景気減速への懸念からユーロやポンドは売られやすい。ウクライナ戦争の激化も警戒され、欧州通貨の下げがドル円相場を支援しよう。
【米・4-6月期国内総生産(GDP)確定値】(29日発表予定)
29日発表の米4-6月期GDP確定値は前期比年率-0.6%と、速報値や改定値から横ばいの見通し。2四半期連続でマイナス成長となるため、ドル買いを抑制する手がかりになりやすい。
【米・8月PCEコア価格指数】(30日発表予定)
30日発表の米8月PCEコア価格指数は高水準が続くとみられ、FRBの引き締め長期化の思惑から金利高・ドル高の要因。ただ、景気への影響を懸念したドル売りも想定され、ドルの上昇は限定的に。