健康的な食事をしたい、一人暮らしの親のために、共働きで忙しい、リモートワーク時の昼食に……さまざまな理由で手間いらずの「冷凍宅配食」の人気が高まっている。各社の商品にはどんな特徴があるのか。俳優・升毅さんが1か月間、主要5社の味を食べ比べた。
料理が得意で自炊派の升さんだが、宅食のお世話になった経験があるという。
「一人暮らしをしていた母が、認知症の兆しが見えた頃に料理をしなくなったんです。これはご飯を食べていないのではと心配になり、母のために定期的に宅食をとっていました」
とはいえ、自身は一度も食べたことがなかった。今回はニチレイフーズダイレクト、わんまいる、nosh、三ツ星ファーム、ワタミの宅食ダイレクトの5社の宅食冷凍食を、1か月にわたって26食を食べ比べてもらった。はたしてその味はどうだったのだろうか。
「想像以上に美味しかったです。各社に個性があり、健康志向の方や年配者に良いお弁当なのかなと思うものもあれば、若者も満足しそうな味付けの商品もありました。母のためにとったのは高齢者向け商品でしたが、どんな人が食べるかで選択は変わるでしょうね」
升さんは夜に米飯を食べない習慣のため、宅食は酒のつまみとして楽しんだ。
宅食の献立は基本的に健康面に配慮されており、食材品目が多いのが特徴だ。
「ただ、野菜好きの私としては、どれも野菜が少なかった。冷凍しやすい野菜とそうでない野菜があるのでしょうが、種類の偏りも気になりました。ブロッコリー、なす、いんげん、いも類が頻繁に登場しましたね」
主菜の多くは美味しかったそうだが、副菜には要望があるという。
「一つ一つの量が少なく感じて、『これは何?』という見た目のものも。箸ひとつまみでは味見です。満足感が少ないので、『美味しい!』と感じづらい。私の理想は、副菜2品でいいので、食べた実感がわくようにそれぞれの量がしっかりあるお弁当。健康的なだけでは寂しい。食べる喜びを感じられるように宅食が進化するといいですね」
宅食選びのポイント
宅食業者は数多く、プランも迷うほど豊富。糖尿病が気になる、家族の介護のためなど、自分の目的に合うものを探すのが最初のステップだ。配達食数・間隔の選択はライフスタイルに合わせるとともに、冷凍室の広さも検討材料になる。
定期便の場合は、続けられる価格かどうかが肝心だ。Webサイトでは1食当たりの価格を強調しているが、税や送料が別途の表示もあり、自分で計算したほうが良い。また、宅食に限らず定期購入の通販サイトは解約案内が見つけにくいことがある。パソコンやスマホが得意でないなら、サイトにお客様用フリーダイヤルがある業者が安心だ。
都度購入や初回お試し便などで試食をし、納得のうえで申し込もう。