大食いコンテンツは根強い人気を誇り、圧巻の食べっぷりは見る者を魅了する。なかでも、細い体型にもかかわらず大量に食べる女性の姿に驚かされる人は少なくないだろう。だが、そんな大食漢の女性たちのなかには、「女性は少食」のイメージとのギャップに苦しんでいる人も少なくないようだ。「大食い女子」を自任する人たちに、その苦労と本音を聞いてみた。
彼に言われた言葉がトラウマに
メーカーで働く20代女性・Aさんは、「体型はTHE平均。あまりたくさん食べるようにも見られない」というが、牛丼は特盛を4~5杯、回転すしであれば40~50皿は食べられる。しかし、人前では「少食」を装っている“隠れ大食い”だと明かす。学生時代、当時の恋人から言われた言葉がトラウマになっているからだ。
「女性=少食のイメージがあるためか、男性の中には、自分より食べる女性のことをあまり良く思わない人もいることを知りました。学生時代、社会人の彼氏との初デートで回転寿司を15皿くらい食べた時、驚かれたのですが、彼は笑顔だったので、受け入れてくれたと思ったんです。
でも、その後も好きに食べていたら、『俺より食べる女子は無理』『お前といると、お金がかかる』と言われてしまいました。確かにいつも彼が払ってくれていたのですが、奢ってほしいと思ったことは別に一度もなく、むしろ申し訳ないので、自分の分は出したいと言っていたくらいなのに……。女性の分も払うというのが彼のプライドだったのかもしれません」(Aさん)
それ以来、Aさんは人前で「大食い」できなくなったという。
「また相手をドン引きさせてしまうのではないかと怖くて、人と一緒にいる時は、自動的にスイッチがオフになるというか……。なので、多分私は少食だと思われているのですが、飲み会後に牛丼屋に駆け込んだり、コンビニで菓子パンを買い込んだりして、家に帰って“爆食”するのは日常茶飯事です」(Aさん)
人よりも食べるということは、もちろん食費もかかる。
「食費だけで月に15万円かかったこともありました(苦笑)。自腹で外食する時は食べ放題か、ガッツリ食べられるもの重視ですね。家で食べる時は、スーパーの半額惣菜を爆買いすることもあります。正直、お菓子のような“お腹にたまらない”ものを食べる金銭的余裕はありません。食費のために働いている感じです」(Aさん)