10月の値上げは6700品目──帝国データバンクによると、今年に入り2万品目に上る食品の値上げが実施され、その3分の1が10月に集中した。これにより、家計負担は年に6万8000円超増加するとの報道もある。
怒涛の値上げラッシュに打ち克つ術はあるのだろうか。節約アドバイザーの丸山晴美氏はこう言う。
「まず車や家電、携帯電話は円安や資源価格の高騰などにより、今後さらなる値上げが予想されます。買い替えの時期に差し掛かっているのであれば、検討を急いだほうがいいでしょう。
なかでも10年以上使っている冷蔵庫、エアコン、洗濯機などの白物家電は、電気料金の高騰を鑑みて、節電に優れたタイプへの買い換えが得策です。現在の冷蔵庫は10年前の製品に比べて電気代が半分程度のモデルもあります。10月は新製品発売の時期なので、型落ち製品を安く買うチャンスです」
1年で約3割も値上がりした電気料金は、この先もさらなる値上げが懸念される。
「そこで視野に入れたいのが、大手電力から『新電力』への切り替えです。料金が5~10%ほど安くなり、戸建てに住む平均的な家庭なら年間2万円ほど節約が可能です。もちろん安いからといって、停電や不具合の発生頻度が上がるわけではありません」(同前)
「固定費」では通信費の見直しも欠かせない。
「携帯電話・スマートフォンなどの通信費は、この値上げ時代に逆行して下がっています。『家族割引』などにこだわる必要はなく、大手キャリアの新料金プランやサブブランドの料金を比較検討する価値は大いにあります」(同前)
一方、大きな流れについては様々な見方がある。経済アナリストの森永卓郎氏はこう指摘する。
「値上げの一大要因となっているドル円相場は、来年初頭には1ドル=150円台まで進む可能性があるものの、その後は米国の景気後退、金融緩和が予想されることから、来年前半には1ドル=110円台の円高も十分あり得るとみています。つまり、今回の値上げラッシュは一時的な短距離走で、半年後には値下げラッシュに転じる品目もあると考えています」