投資情報会社・フィスコが10月10日~10月14日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は上げ渋りか。日米金利差が意識され、ドル円は節目の145円を上回る水準で推移しそうだ。ただ、米インフレ関連指標は高水準ながらも、伸びが鈍化すれば引き締め加速への期待は一服し、金利安がドルの重石になりやすい。12日公表の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月開催分)はタカ派的なトーンとみられ、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑止を最優先させる方針が改めて示される。それを受け、引き締め長期化への思惑からドル買いに振れやすいだろう。
注目は13日発表の米9月消費者物価コア指数(CPI)。市場予想は前年比+6.5%と前月の+6.3%を上回ると予想される。ただ、クリーブランド中銀のCPIナウでは総合が8%を割り込んでおり、伸びの鈍化が示される可能性もあろう。高インフレが続いているが、市場予想を下回った場合、今後のFOMCで引き締め姿勢が弱められる可能性から、長期金利は伸び悩みドルの一段の上昇を抑制する展開となりそうだ。ドル買い基調に変わりはないものの、極端な上昇は想定しにくい。
一方、欧州通貨への下押し圧力は続くとみられるが、欧州中央銀行(ECB)や英中央銀行(BOE)のインフレ抑止に向けた政策方針を背景に割安感から買戻しも期待される。ドル・円に関しては日米金利差で上昇基調を維持しよう。ただ、政府による2.8兆円の円買い介入の効果で、145円付近では円売りに慎重になり、ドルと円の売り買いが交錯し攻防が続きそうだ。
【米・9月CPI】(13日発表予定)
13日発表の米9月CPIは前年比+6.5%と予想されており、インフレ率は8月実績を上回る見通し。ただ、市場予想を下回った場合、インフレピークアウトの思惑からドル買いは後退か。
【米・9月小売売上高】(14日発表予定)
14日発表の米9月小売売上高は前月比+0.2%と、8月の+0.3%を小幅に下回る見通し。市場予想を下回った場合、国内総生産(GDP)の3期連続マイナスが警戒され、ドルは買いづらい展開となりそうだ。