また、不定期ながらサコッシュやコインケースなど、大塚記念湯のオリジナルグッズを作成している。さらには星野リゾートが運営する大塚の都市型観光ホテルと組み、大塚散策の中に銭湯体験を組み込むなど、次々と意欲的な取り組みやコラボを行い、若い層にアプローチしている。そのため週末には、普段見かけない顔ぶれのお客で銭湯がにぎわうこともある。
「銭湯は身体を洗う場所というだけではなく、遊園地に行くようなわくわく感を感じてもらいたいんです」(キミヨさん)
妙子さんも力強くこう語る。
「燃料費の値上げはやはり困りものです。だけど銭湯は、家のいちばん近くにあるレジャースポットであり続けたいので、これからもできるだけ楽しい空間作りを心がけたい」
たとえ最新の設備がそろっていなくとも、アイディアと地域の人とのつながりを一番の燃料に、町の銭湯は今日も湯を沸かし続けている。
【記事内に登場した銭湯】
●日の出湯
住所:東京都台東区元浅草2-10-5
営業時間:14:00~23:00(最終入場22:40)
定休日:水曜日
●豊川浴泉
住所:東京都文京区目白台1-13-1
営業時間:16:00~23:50
定休日:月、金
●大塚記念湯
住所:東京都豊島区南大塚3-38-15
営業時間:14:00~25:00
定休日:金曜日(※祝日の金曜は営業)
取材・文/関山りえ 撮影/内海裕之、石井勇気