中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

地方移住して初めて知ったバーベキューの意義 手軽に皆が集える日常的な「おもてなし」

海辺でBBQを楽しむ人たち(写真:イメージマート)

海辺でBBQを楽しむ人たち(写真:イメージマート)

 インターネットでは何かと批判の対象になりがちなバーベキュー(以下、BBQ)。河川敷などでBBQをする人々が大声で叫んだり、ゴミを放置したりするなど、そのマナーが問題視されることも多い。また、若者が仲のいい友人たちとBBQをする姿が「リア充の象徴」と揶揄されることもある。そうしたなか、現在、佐賀県唐津市に住むネットニュース編集者・中川淳一郎氏は、「地方移住して初めてBBQの大切さを知った」という。いったいどういうことか、中川氏が地方在住者にとってのBBQの意義について考察する。

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 私は2020年11月1日に東京から唐津に引っ越しましたが、この2年ほどの間に、それまでの47年間にやったBBQ回数を遥かに超えるBBQを経験することになりました。なぜか「BBQやりますよー、中川さん、来ませんかー!」とお誘いを受けるのです。

 そして、呼ばれた会場に行くと、肉・海産物・野菜がどっさり盛られていて、人々はお酒を飲みながら大いに楽しんでいる。焼いてくれている人に「○○さん、ずっと焼いてくださって申し訳ないので私がやりますよ?」と言うと、彼は嬉しそうに「僕はちゃんと食べているので大丈夫です! 楽しんでください!」と言ってくれます。

屋外でのBBQは開放感もたっぷり(写真:イメージマート)

屋外でのBBQは開放感もたっぷり(写真:イメージマート)

 都会においてBBQは、いわゆる「リア充の象徴」であり、あるいは煙を出して大声をあげる「迷惑軍団の行為」と批判されることがあります。そうした論調は、ネットでもよく目にしますが、地方ではそうではありません。あくまでも「手軽に皆が集うことができるレジャー・宴会」なんです。もちろん、地方でも隣人のBBQに腹を立てた人がトラブルを起こして、それがニュースになることもありますが、だからといってBBQが悪いわけではない。

 私は唐津で何度もBBQに参加しましたし、住宅街にある知人の家の庭で開催されたBBQに参加したこともありますが、まったく批判の声など聞こえてきませんでした。そこには「BBQは日常だからね」という意識があるのです。

 都会の人からすれば、BBQというのは、随分前から準備をし、河川敷や公園のBBQ場を予約し、万全の体制で臨むもの、という意識があるかもしれません。ところが、地方民からすればBBQは「手間がかからないおもてなし」なんですよ。炭を入れられるBBQ用具と網さえあれば、あとは食材を焼いて楽しむだけ。そして各人が塩や焼肉のタレをつけて勝手に楽しむ。

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