投資情報会社・フィスコが、株式市場の10月11日~10月14日の動きを振り返りつつ、10月17日~10月21日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で25.35円安(-0.09%)と小反落。週間では往って来いの展開となった。先週も26週移動平均線に上値を抑えられる形となったが、ローソク足は2本連続での陽線を形成した。
連休明けの11日の日経平均は714.86円安と大幅下落。米9月雇用統計での失業率の低下など強い結果を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ加速への警戒感が強まり、米長期金利が上昇するなか、連日で下落していた米国株の動きを引き継ぐ格好となった。また、バイデン米政権が半導体の先端技術に関する中国への輸出規制を強化すると発表したこともリスク回避の動きを強めた。
12日は重要イベントを前に様子見ムードが強く4.42円安とほぼ横ばい。13日は159.41円安と連日で下落。米9月卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことで米9月消費者物価指数(CPI)に対する警戒感が高まったほか、9月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でFRBのタカ派な姿勢が確認されたことが重石となった。
ただ、週末14日は853.34円高と急反発。米9月CPIは総じて予想を上回ったが、コアCPIのピークアウト感が広がり、米長期金利が低下に転じたほか、ドル高も一段落したため買い戻しが加速。ナスダック総合指数が+2.22%と7日ぶりに大幅反発となったことが安心感を誘い、東京市場でも短期筋の買い戻しに繋がった。
今週の東京株式市場はもみ合いか。米中の経済指標や米主要企業の決算などを消化しながらの一進一退、ないしやや強含みの展開を想定する。
米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録や米9月消費者物価指数(CPI)などの重要イベントを通過したため、今週はあく抜け感に伴う短期的なリバウンド局面が続きそうだ。米株式市場では、CPI発表前から株価指数や個別株を対象としたショート(売り持ち高)が記録的な水準にまで積み上がっていたことから、週末21日に控える米オプション取引に係る特別清算指数算出(SQ)までは売り方の買い戻しが進む余地がある。東京市場でも、足元で持ち高が中立的な水準にある商品投資顧問(CTA)などの短期筋が相場を動かす主体となっているため、米国株高に連れてやや強含みの展開が予想される。