竹内さんは、ゲーム好きだったからこそ“積みゲー”が多く、本格的にPS5に移行できないというわけだ。
「PS4版を無料でPS5版にアップグレードできるタイトルに関しては、PS5版でプレイしようと思っていますが、それも結局“PS4でやるつもりだったゲーム”だし、PS5の意味があるのかどうか、わからなくなってきますね……。せっかく6万円も払ったんだから、PS5でしかプレイできないゲームを遊びたい。ひとまずPS4の“積みゲー”はこのまま積んでおいて、近々PS5独占タイトルを買う予定です。
ただ、PS5の独占タイトルで“是が非でもこれがプレイしたい!”というタイトルがまだないんです。だから、“新しいゲーム機を買ったぞ!”という感覚は薄くて、なんとなくスペックの高いパソコンに買い替えたような感覚という感じです。PS4からPS5になって性能は高くなりましたが、何か特別な機能が追加されたわけではなく、“根本的な革新”はまだ感じられていないというのが本音です。ずっと欲しかったので、手に入ったのは嬉しいですが、現段階では6万円の価値があるのかどうか、まだ判断できません」
ちなみに、PS5だけでなく、PS4の本体も入手しにくい状態が続いている。ソニーの公式オンラインストアにはPS4の本体500GBモデル(3万2978円)の商品ページが閲覧できるが、〈入荷待ち〉となっている。また、Amazonなどの通販サイトでは、新品のPS4本体が5万円以上の価格で販売されているケースも多い。藤井氏はこう話す。
「PS5の品薄を受けて、PS4の需要が高まったこと、ソニーがPS5の生産に注力していることなどが、PS4の品薄の要因です。PS4のハイエンドモデルであるPS4 Proについては、すでに生産が終了しています。つまり、現在は新品のPlayStationのハードを買うことがかなり難しく、“新たにゲームをやりたい”と思っても、PlayStationが選択肢になりにくい。PS5の品薄から始まる悪循環で、新規ユーザーを逃している状況と言えるかもしれません」
まだまだPS5を買いたいユーザーが確実に手に入れられる状況には程遠い。本体の安定供給が実現するまで、ゲーム業界も、ゲームファンも我慢のときなのかもしれない。(了)