記録的な円安、ウクライナ危機、そしてそれに伴う物価高──。給与は上がらないのに、家計の負担は増すばかり。政府の経済政策に期待がかかるところだが、目立つのは補助金や支援金といった「バラマキ政策」ばかり。確かに需要を喚起させ景気の刺激につなげたいという思惑は理解できるが、支持率回復を意識した“小手先のバラマキ”という印象も拭えず、そこに不満を抱く人たちは少なくないようだ。
「子育てクーポン」で子供を産もうとは考えない
不動産会社に勤める30代女性・Aさんは、政府が「産み控え」解消の目的で0~2才児がいる家庭に支給する「子育てクーポン」に疑問を感じるという。
「確かに支援はありがたいものですが、これだけで『子供を産もう』と考えて、出生率が上がるとは思えません。教育費負担を考えるなら、奨学金の負担軽減、2人目以降は学費無償みたいな、もっと大胆な政策を打ち出さないと難しいのでは」(Aさん)
Aさんは出産直後のお金よりも、「その後の教育にかかる負担の方をなんとかしてほしい」と考える。
「自分たちの経済力では、子供の将来の選択肢や可能性を狭めてしまうのではないか。そう考えて子供を産まないとか、産んでも1人までという決断をした人も私の周りには結構います。そういう切実な現実があるわけです。小手先の支援より根本的な原因を解消し、産みやすく育てやすくなるような政策を望みます」(Aさん)
電気代支援1世帯最大月2000円に失望
岸田文雄・首相が国会で「前例のない思い切った対策」と大見得を切ったのが、電気代の負担軽減策。その中身は、1世帯当たり月額最大2000円程度を支援する案だと報じられている。IT企業に勤める30代男性・Bさんは、「期待外れだった」とため息をつく。
「どんな支援をしてくるのかと思っていたら、まさかの最大2000円支援というお粗末なもの。『はぁ?』って感じです。お金さえ配っておけば国民が喜ぶとでも思っているんでしょうか。もちろん目先のことも重要ですけど、もっと将来的なことを考えてほしいです。個人的には、お金を配るよりも、これ以上税金を増やさないとか、年金をケチな方向に持っていかないとか、そういうところに注力してほしいです」(Bさん)