買い物が1か所で済むのは確かに便利だが…
ただ、メリットがあればデメリットもあるのは当たり前。あまりにモールの近所に住むと、ウンザリすることもある。東京都に住むOさん(40代/男性)は、モールの目の前のマンションに住んでいるが、便利だと感激していたのは最初だけ。今は後悔の方が大きいという。
「一にも二にも、とにかく渋滞が強烈です。GWやお盆は駐車場待ちの車が長い列を作り、モール周辺の道路は完全にマヒ。車で出かけるのは不可能です。渋滞にしびれを切らした車が裏道に入ってくるので、小さい子供からは目が離せませんし、車が塀や電柱に擦ったり、小さな衝突事故を起こしたりといったケースも何度も見ています。
駐車場の上層階に登るスロープが急で、みんなアクセルを踏み込むためか、空気は悪いですし、駐車場を走る車のタイヤがキュルキュル鳴って、すごく耳障り。出庫時、バーが上がる度に『ブーブー』と音が鳴るのもうるさいです」(Oさん)
埼玉県に住むSさん(30代/女性)も、便利さに惹かれてモールの近所に引っ越したが、今では後悔し始めているという。
「学生時代、友達の車で郊外の超巨大モールに買い物に出かけて、その大きさに圧倒され、ずっと“モールが近所にあったらいいな”と思っていたんです。そして結婚して新居を探す時、モールがある駅に出かけたら、新築マンションが手頃な値段だったので、勢いで買ってしまいました。最初は大満足でしたが、あまりに便利すぎて、他のところに出かける機会がなくなってしまいました。
モールに行けば食料品、日用雑貨、生活用品、洋服、薬など、あらゆる買い物はそこで済みますし、シネコンや本屋、子供向けのゲームコーナーもあるので、わざわざ他の場所に行く気が起きません。たまに別の商業施設に行っても、『これ○○(最寄りのモール)にもあるよね』『○○の方が色々あるね』『ここで買うなら、○○で買ったほうがポイントがつくし』といった具合。夫は、『オレが稼いだ金は全部○○に吸い上げられてる』と苦笑しています。
買い物が1か所で済むのは確かに便利ですが、施設が大きすぎるのも考えものです。本当にちょっとした買い物でも、目的の店まで延々歩くこともあれば、レジが長蛇の列ということも多い。モールまでは1~2分でも、店内でたっぷり歩くことになります」(Sさん)