相次ぐ値上げの一方で、なかなか賃金は上がらない今の日本。家計を守るためには、日常生活の中での節約も重要になってくる。たとえば、家で飲む飲み物も、麦茶のパックを買って作り置きをすれば、同量のペットボトル飲料を買うより安上がりになる。だが、そんなことは百も承知のうえで、少々高くてもいいから、家の中でも500mlのペットボトルの飲み物を飲むというライフスタイルの人もいる。
都内に住むフリーのウェブデザイナー・Aさん(30代男性)は、500mlのペットボトルドリンクを大量に購入し、部屋に常備しているという。
「実家に住んでいる頃は、母が麦茶を作り置きしていたので、それを飲んでいました。でも、自分で一人暮らしをするようになってからは、家でも500mlのペットボトル飲料を飲んでいますね。最近はずっと『ソルティライチ』にハマり中。消費量が多い夏場はネットでケース買いしていて、値段は1本100円くらいです」(Aさん・以下同)
麦茶のパックで、安いものなら54袋入りで300~400円程度。1袋で1リットルの麦茶を作ったら、1リットルあたり6~7円程度の計算となる。500mlで100円のドリンクとは比べ物にならないほど安い。
「作ったほうが圧倒的に安いのはわかっています。でも、ペットボトルであれば、家の中で持ち運べるじゃないですか。蓋をするのでこぼれることもないし、仕事をするときに気軽にパソコンの周りに置ける。この“便利さ”にお金を払っている感覚はあります」
同じペットボトルのドリンクでも、2リットルの商品であれば、500mlのものとさほど変わらない価格で手に入れることができる。節約を考えれば、「2リットルのペットボトル」という選択肢もあるはずだが……。
「2リットルのドリンクは、結局コップに移して飲まなければいけないし、持ち運びに全く向いていない。だから私にとっては、作り置きの麦茶と同じで“不便”なんです」
Aさんには、「なるべくラクをしたい」という思いもあるようだ。
「単純に麦茶を作るのが面倒くさいし、できるだけ洗い物もしたくない。なにか飲み物を飲みたいと思って、冷蔵庫を開けたら麦茶がちょっとしか残っていなかった……なんていう絶望も味わいたくない。そう考えると、買い置きした500mlのペットボトルにまさる“便利な飲み物”はないと思います」