前出・Aさんは、獲得したポイントの使い方にもこだわりがあると話す。
「タワレコの場合、“渋谷店はあのメンバーの生写真で、新宿店は別のメンバーの生写真”みたいに、同じCDに店舗別で異なる特典がつくことも多いんです。そういった特典はオンラインショップでは手に入らないので、近場の店舗をいくつか回ります。でも、実店舗だと100円で1ポイントしか貯まらないので、実店舗で買う時はポイントは貯めず、消化するようにしています」（Aさん）
つまりAさんは、ポイント還元率が高いタワレコのオンラインショップで買い物をし、そのポイントを還元率の低い実店舗で使っているということだ。
「サブスク隆盛の現在の音楽業界ですが、そうしたなかでもCDを大量に購入するアイドルグループのファンたちの存在感は大きい。だから、CDショップもアイドルグループ関連の特典は豊富ですし、店舗でもアイドル関連の売り場を増やして、派手にディスプレイするなど、大いに盛り上げています。タワレコなどはその傾向がかなり顕著ですし、ポイントでの還元もまたアイドルファンを意識していることは間違いないでしょう。CD購入における“ポイ活”は多くのアイドルファンが実践していると思います」（大塚氏）
CDがあまり売れない時代に、大量のCDを買うアイドルファンたちが音楽業界を支えている側面もある。そんな彼ら／彼女たちはポイント活用術を駆使して、今日もCDを購入していることだろう。（了）
