現役世代が受け取る年金額は払った保険料ではなく、その次の世代の労働人口やどれだけ保険料を負担できるかで決まる。
それでも政府は目先の財源確保のために「年金が増える」と宣伝して厚生年金の加入者を拡大し、保険料を取れるだけ取ろうとあの手この手の制度変更を行なっているが、自転車操業の先に希望はない。
「少子化と高齢化が進む社会で、賦課方式の年金を運営していくには、保険料を上げ、支給額をどんどん目減りさせないと維持できません。今回の年金改革で厚生年金のマクロ経済スライドの対象期間を2033年度まで延長する議論が行なわれていますが、年金財政の現状からみると、もっと先までスライド(減額)は続くでしょう。
それなら、自分で積み立てたほうがマシですよ。若い世代から見れば、保険料は払い損だから払いたくないとますます年金不信が蔓延するのは当然です」(北村氏)
年金がますますあてにならない時代に、老後資金は自分でカバーするしかない。
※週刊ポスト2022年11月18・25日号