FXは、「レバレッジ」の仕組みにより手持ち資金の25倍ものお金を動かすことが可能だ。相場が思い通りに動かなければ、それだけ大きな損失となり跳ね返ってくるリスクがある。ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏が語る。
「レバレッジの倍率を高くするほどハイリスク・ハイリターンになります。為替相場は世界中で24時間動いているため、一夜にして大幅に値動きすることもあり、レバレッジをかけていれば、投資した自己資金を超える損失を被るケースもある。資金管理を厳格にできない人はあくまでも余裕資金で投資し、なるべくレバレッジを低くすべきです」
ただ、前出・平井氏は違った見方をする。
「FXには光と影があり“丁半博打”といわれていますが、私はもっと日本で金融教育、投資教育が一般的になり、FXが市民権を得られるようになってほしいと考えます」
貿易赤字が続くなど国際競争力低下が叫ばれるなか、日本は「貿易立国」から「金融立国」へのシフトが求められている。今年4月からは高校の家庭科で、投資信託など基本的な金融商品の特徴を学ぶ「金融教育」もスタートしている。成人年齢の引き下げに伴って18歳以上から株やFXを始めることも可能になった。
ますます投資が身近になっているからこそ、情報に踊らされず冷静な判断が求められる。
※週刊ポスト2022年11月18・25日号