金利上昇局面で、債券投資の注目度が上がっている。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第19回は、「債券の仕組み」について。
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今、世界中で金利が上昇しています。金利は各国の中央銀行が決定する政策金利をもとに変動していますが、インフレを抑えるために、ほとんどの国が政策金利を引き上げているからです。金利が上昇すると、値動きのリスクが高い株よりも、安定している債券に注目が集まります。その仕組みについて解説しましょう。
債券の仕組み
債券とは、国や政府・地方公共団体、企業などが、資金を投資家などから借り入れるために発行する有価証券の一種です。国が発行する債券を国債、地方公共団体が発行する債券を地方債、企業が発行する債券を社債と呼びます。
投資家は、債券を購入することで、発行体に資金を提供し、発行体は、その見返りとして、満期(償還日)までの間、決まった日に利子の支払いを行い、償還日に元本を返済します。償還日まで保有する前提であれば、リターン額が決まっているので、投資初心者でも比較的ハードルの低い金融商品です。
ただし、発行体が潰れてしまうと元本は戻ってきません。発行体が潰れる可能性の「高い、低い」を判断するものとして、格付けがあります。債券を購入する際はかならず格付けを確認しましょう。一般的に、格付けは信用度が高い順にAAA、AA、A、BBB、BB、B、CCC、CC、Cと表記され、BBB(トリプルビー)までは、投資適格とされています。