11月に入っても値上げラッシュはまだまだ続いている。自粛ムードもようやく落ち着き始めたが、この年末こそ、財布のひもを引き締めるべきだと、消費生活アドバイザーの丸山晴美さんが警鐘を鳴らす。
「“ボーナスが出たら、7割は貯蓄して、残りの3割で欲しかったものを買って、年末のイベント費用にしよう”などと決めているなら大丈夫。一方“今年も頑張ったから”“コロナでがまんしてきたから”と計画性なく年末のセールで買い物をしたり、誘われる飲み会に片っ端から参加するのは、間違ったお金の使い方です」
「自分へのご褒美」は、浪費のいちばんの言い訳ということだ。だが、何でもかんでもケチケチして切り詰めるのも間違い。1円でも安いものを求めて駆けずり回ったり、ボロボロの服を着続けたりしてストレスがたまると、いずれリバウンドする。適度にガス抜きするための「プチぜいたく」も、時には必要だ。
「あらかじめ立てておいた目標を達成したときや“毎月第○日曜日はデパ地下でお総菜とスイーツを買って帰る『チートデイ』にする”など、金額や頻度を決めてメリハリを持たせれば、“言い訳出費”にはなりません」(丸山さん)
お金を使うかどうかを決めるときに、流行や他人の目などを基準にすると、浪費になる。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんが言う。
「誘いを断れないお人よしや、人の目ばかり気にする見栄っ張りな人は、交際費や被服費、美容費がかさみます。“貧乏だと思われたくない”などと出費を繰り返すと、本当に貧乏になってしまいます」
年末はどうしても出費が多くなりがちだが、「たまたま」は禁句にするべきだ。ファイナンシャルプランナーの山口京子さんが言う。
「“たまたま会食が多かったから”“たまたまライブがあったから”などというのは言い訳です。避けられない交際費や逃したくないイベントがあるなら、その分、別の出費を減らさなければなりません。“たまたま”という言い訳が多いのは、自分のムダ遣いを受け入れようとしていない証拠です」