ボーナスで家計の赤字を補填するリスク
「でも、年末はボーナスもあるから大丈夫」と思ったら大間違い。
ボーナスのおかげでトータルでは口座に余裕があるように見えても、お金を使いすぎていることに変わりはない。ボーナスをあてにすると支出に対する危機感が薄れてどんぶり勘定になりやすく、そこからどんどん財布のひもがゆるんでいく。もちろん、ボーナス払いなどもってのほかだ。
家計再生コンサルタントの横山光昭さんも、ボーナスで赤字を補填するのは、大きなリスクがあると話す。
「ボーナスは会社の業績や景気などに影響されるため、大幅に減額されたり、予定通りに支給されなくなる可能性もあります。ボーナスをあてにしていると、ひどければ支給されてから数日で全額使い切ってしまうこともある。家計の健全度は、ボーナスの消費スピードに表れるのです」
そもそも、赤字になりやすい人は、高額なものを買いすぎているというより、無意識に少ない金額でムダ遣いを重ねていることの方が多い。
「毎朝通勤中に缶コーヒーを買ったり、帰り道でコンビニに立ち寄ったり、習慣や惰性で使っているお金が積もり積もって、大きなムダになっているのです。お金を使っている意識を持ち、何のために買うか意図を持ってお金を使いましょう。週に何度か“今日は1円もお金を使わない”と決めて『ノーマネーデー』を設定するのも1つの手」(黒田さん)
たばこやお酒といった嗜好品は、無意識浪費の代表格だ。嗜好品には依存性があるため「やめられないから仕方がない」という言い訳にもつながりやすい。
ファイナンシャルプランナーの大野高志さんは、お金を貯められない人はちょっとした手間を惜しみ、無意識にお金を使う頻度が高いと話す。