吉田みく「誰にだって言い分があります」

もはや「健康的な食事」は贅沢なのか… 物価高騰で自炊と節約が両立できなくなった20代男性の絶望

物価高で食事の手作りもままならない(イメージ)

物価高で食事の手作りもままならない(イメージ)

 惣菜中心の食事に変えてから、ショウゴさんの食事は揚げ物や味の濃いものが中心となったという。自炊の時は意識して食べていた野菜や魚は自然と食べなくなり、価格重視の食生活に。その甲斐もあり、心配していた貯金額は3万円を維持することができた。しかし、そのことと引き換えに、肌荒れに悩まされるようになってしまう。

「今までなかった吹き出物が顔にでき始めたので、皮膚科を受診しました。医師から肌荒れは食生活の影響も考えられると告げられ、『野菜を多くとり、栄養バランスの良い食事を心がけましょう』とアドバイスされても、真っ先にお金のことが浮かんでしまいました……。ですが、病院の診察代と塗り薬で4000円近い出費をしたことで、徐々に目が覚め始めたんです」

 これを機に、自炊の生活へ戻したショウゴさん。値上がりが続く食材の値段にヒヤヒヤしつつも、健康第一で考えるようになった。本人曰く、「食生活を改めたことで悩まされていた吹き出物はなくなった」というが、その反面、貯金額は減少した。「頑張っても月2万円が精いっぱい」だという。

「この先も物価高に悩まされると思うと頭が痛くなります。増税などの話題も出ていますし、この先、一般的な会社員の私は生きていけるのか不安です。給料の良い会社へ転職すべきなのか、それとも副業などで収入を増やすべきなのか……。健康的な食事を摂ることさえも贅沢になりつつある世の中に絶望している自分がいます」

 現在は、休日に価格の安いスーパーマーケットをはしごして、お買い得品を探しているそうだ。私たちの生活に大きな影響を与えた物価上昇。栄養バランスのよい食事を摂ることすら「贅沢なこと」になってしまったのだろうか。(了)

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