サークル機能から自分が排除されている人は、その事実を知ることはできない。しかし、Aさんは思わぬことから「自分がハブられている」ことを知ったという。
「たまたまそのサークルの中に私のリア友(※リアルで交流する友人)が入っていたんです。その子から『Aちゃん、このサークル内でめっちゃ悪口言われてるよ』と、ツイートのスクショが送られてきた。
そこには『古参ぶってるババアうざい』とか『なんであいつがチケット当たるの?』『うちの方が○○君のこと好きなのに、あいつの方がチケ運(※チケットの座席の運)がいいの許せない』などと書かれていました。大人になってからこんな目に遭うと思わなくて、すごくショックで人間不信になりそうです。SNSで同好の友だちを増やすのは、もう辞めようかなと思っています」(Aさん)
ブロック機能との違いは
Twitterサークルを利用した仲間はずれの手法は、ブロック機能と何が違うのか。IT企業に務める男性・Bさん(30代)は、次のように分析する。
「そもそもTwitterでは、自分が相手にブロックされているかどうかはすぐ分かる。相手のプロフィールページにアクセスすると、自分をブロックしているアカウントのプロフィール画面に、『○○さんはあなたをブロックしました』と表示されるからです。そのためブロック機能を嫌うユーザーも一定数いました。一方でサークル機能は自分が排除されていることが不可視化される点がブロックとの最大の違いです。
しかし、デジタルネイティブは、この『不可視化』も逆手にとって、相手にダメージを与えようとするのかもしれません。というのも、Aさんのケースでは、悪口を書いた新規ファンの人は、あえてAさんの友人(リア友)をサークル内に入れることで、Aさんの悪口を言っていることが漏洩するように仕向けたとも考えられる。
サークルに入っていない場合も、そのなかにいるメンバーの誰かが画面をスクリーンショットしたり、本人に見せたりすれば、いくらでもツイートが外に漏れるわけです。直接に悪口を言ったり、ブロックをしたりせずに、あえてこういった方法で相手に不快な思いをさせている可能性もある。かつてLINEグループを使った仲間はずれやいじめが話題になったことがありますが、いまそれと同じことがTwitterでも起こっています」
かつては現実世界で繰り広げられてきたいじめの主戦場は、いまやSNSに移行している。SNSに続々と追加される新たな機能は、良い方向に利用されるだけでなく、悪い方向に利用されるケースもあるようだ。(了)