住友生命が11月上旬に発表したアンケート結果によれば、物価上昇が家計に影響を与えていると回答したのは約90%。しかし、前年より今年の年収が増えると回答したのはおよそ3割にとどまった。来年にはさらなる物価上昇・光熱費の値上げが見込まれている中、消費者はどう対応すればよいのか。専門家に、年末までの約1か月の間でやっておきたい対策を聞いた。
食料品の物価高騰には、「ふるさと納税」が有効だ。好きな自治体に寄付すると、2000円の実質的な自己負担分を引いた額が所得税や住民税から控除されるうえ、豪華な返礼品を受け取れる。寄付金の限度額は所得や家族構成などで異なり、返礼品は寄付金の3割程度となる。ファイナンシャルプランナー森田悦子氏が解説する。
「家族構成などにもよりますが、年収300万円の給与所得者なら、控除を受けられる寄付の上限は2万9000円ほど。3割の還元なら(自己負担の2000円を引いて)6700円の得になります」
ここ数年は年末になると、コロナで打撃を受けた農家などの応援と銘打ち、実質還元率3割以上の返礼品を出す自治体もある。年末にかけて、より得することができる可能性があるのだ。返礼品を賢く選べば物価高に対抗できる。
「和牛やメロンといった高級食材に目が行きがちですが、お米や日常的に食べる食材などを選べば、普段の生活費を減らせます。急激な物価上昇で家計が苦しいなか、堅実なふるさと納税が家計の足しになります」(森田氏)
手放すことで浮かせられるお金もある。歳を重ねて乗らなくなってきたなら、「自動車を手放す」のも一つの手だ。
「2年前に1リットル130円だったレギュラーガソリンが、今は約170円。1500ccの車を月に2回満タンにする計算で約4000円の出費増です。さらに自動車税や任意保険、駐車場代や車検代などもかかり、年間の維持費は40万~50万円になる。マイカーを手放せばこれらの費用が浮きます」(森田氏)