性的関係の拒否で夫婦関係が冷え切り、愛情が失われると、たとえ拒否した側が離婚は嫌だといっても、婚姻を継続できない重大な事由があるとして離婚を認めるケースが少なくないのです。
性交の拒否が病気によるもので、その治療に努めていれば、セックスレスに理由がないとはいえませんが、あなたの場合、奥さんの体に飽きただけですから、性交を拒否する事情があるとは思えません。このまま奥さんの求めを拒んでいると、離婚は現実化します。
マンネリの克服は、拒んでいるあなたがまず、やるべき。思いがけない離婚話で動揺したでしょうが、結婚20年目でなお、あなたとのセックスを求めている奥さんは、かわいいではありませんか。
その奥さんがいなくなった一人暮らしの味気なさと、不便さを考えてみれば、夫としての務めを果たさなければいけません。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2022年12月2日号