投資

【日本株週間見通し】東京株式市場は強含みか 米国株も下値の堅さを確認

日経平均は4週ぶり反落

日経平均は4週ぶり反落

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月14日~11月18日の動きを振り返りつつ、11月21日~11月25日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は週間で363.8円安(-1.29%)と4週ぶり反落。ローソク足は2週ぶりに陰線を形成。ただ、上から13週、52週、26週の各移動平均線が位置する27400円レベルよりは上方を維持した。

 週明けの日経平均は300円を超える下落となった。前の週末に800円超と急伸していた反動が出た形だ。一方、その後は週末まで心理的な節目の28000円を挟んだ一進一退が続いた。米10月卸売物価指数(PPI)の予想以上の減速などを背景に、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース減速期待が一段と強まったことが大勢では株価を下支えした。

 一方、FRB高官からは「利上げ停止は程遠い」などと市場をけん制するような発言が随時観測されたため、株式市場の上値は重かった。また、決算発表が一巡し、手掛かり材料難だったことも積極的な買いを手控えさせた。物色としては、週前半は前の週からの半導体関連株の上昇の流れが続いたが、米半導体メモリ大手マイクロン・テクノロジーの市況見通しの下方修正が水を差し、週後半は軟調となった。特にレーザーテック<6920>の下落率が目立った。一方で、10月の訪日外国人観光客数の統計結果を受けて、インバウンド関連が週後半からは持ち直した。

 今週の東京株式市場は強含みか。米国の10月物価指標の明確な減速を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペース減速の期待が根強く残る中、株式市場は強含みで推移しやすいだろう。一部のFRB高官からは利上げ停止には程遠いなどとタカ派的な発言が出ているが、すでにFRB自身がこれまでの利上げの累積効果を見極める必要性から利上げペースを落とすことに言及しており、利上げ停止時期も大よその見当はついている。一連の高官発言を受けて、ターミナルレート(政策金利の最終到達点)が5%前後になるであろうことも織り込み済みであるほか、来年の世界経済の景気後退懸念を背景に、米長期金利の上昇余地も限られてきたとみられる。米10年債利回りが4%を下回って推移している間は、グロース株を中心に株式市場の堅調推移が続きそうだ。

 東京証券取引所が発表する投資部門別売買状況によると、海外投資家は11月第2週(7-11日)、現物株を5031億円買い越した。前の週は4039億円の買い越しで、現物株は3週連続の買い越しとなる。年始から海外勢による日本株の売り越し基調が続いていたが、ようやく、そうした動きは一服したようだ。なお、第2週時点での海外勢の年始からの売り越し累計額は約2兆4840億円となっている。来年、世界経済の景気後退色が強まると予想される中、世界の景気敏感株とも称される日本株をどこまで買ってくるかを予想するのは難しいが、金額ベースでは買い戻し余地はまだ十分に残されているといえる。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。