投資情報会社・フィスコが11月21日~11月25日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペースの鈍化に思惑が広がっているが、金融引き締め自体は継続する見通しのため、ドル買いは根強いだろう。11月10日に発表された米10月消費者物価指数(CPI)は予想外に伸びが鈍化し、FRBによる引き締め緩和の思惑からドル買いは縮小しつつある。指標発表後にはサポートラインの140円を割り込み、その後持ち直しても売りに押される展開が続く。
11月15日発表の生産者物価指数(PPI)もCPI同様に前月から低下し、インフレピークアウトの見方から、金利安・ドル安が続く。12月13-14日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)以降の利上げ幅縮小を想定したドル売りが出やすい地合いとなっている。ただ、FRB当局者はタカ派姿勢を崩していない。ブレイナード副議長は将来の利上げ幅縮小の可能性に言及しながらも、金融引き締め政策を継続する意向。他の当局者も異口同音に利上げの重要性を指摘しており、ドルは売りづらい面もある。
23日に公表されるFOMC議事要旨(11月1-2日開催分)でターミナル金利(利上げピーク時の金利)に関する議論から利上げ継続の方向が示されればドルの買戻しにつながるだろう。一方、世界的なインフレのピークアウトの観測から、株式市場で買戻しが入りやすい地合いとなっている。アジアや欧米の株価が強気相場に戻るとの見方からリスク選好の円売りが強まれば、主要通貨を押し上げる可能性があろう。
【米・10月耐久財受注】(23日発表予定)
23日発表の米10月耐久財受注は前月比+0.3%、コア指数は前月比+0.1%と、強弱まちまちと予想される。国内総生産(GDP)の上方修正期待は高まらず、強いドル買い要因にはなりにくいだろう。
【FOMC議事要旨】(23日)
FRBは23日、11月1-2日開催のFOMC議事要旨を公表。次回12月会合で引き締めを緩める手がかりがつかめれば、ドル売り要因となろう。