一方、向学心や向上心が金ドブに結びつく場合も多い。Nさん(会社役員・70代/男性)は十数年前、英会話教室に通って大損したと語る。
「仕事をセミリタイアし、時間がたっぷり出来たので、錆びついた英語力をもう一度磨こうと、当時バンバンCMをやっていた英会話教室に通い始めました。クラス分けの試験では『発音がキレイですね』と褒められていい気分に。受講チケットは回数が多ければ多いほど安くなると聞かされ、一番多い回数券を購入。しかしその後、体調を崩して英会話どころではなくなり、挙句の果てにその英会話教室が潰れてチケットは紙くずになりました」(Nさん)
それでもNさんは、何回か英会話を楽しめただけマシかもしれない。Sさん(40代/男性)はただひたすらお金をムダにした。
「大学4年の時、就活が終わり、自動教習所に通うことにしました。友達から『今のうちに取っておかないと、取るチャンスがない』と言われ、その通りだな、と。しかし夏休みは遊びまくってしまい、後期に入ったらゼミ活動、卒論、内定企業からの課題……気が付けば免許を取れないまま4月になり、教習所に払い込んだ30万円近くのお金は完全にムダになりました」(Sさん)
車検が終わった直後に廃車に…
額としては少ないが、ショック度が極めて高いのはYさん(40代/男性)だ。
「私の仕事は内装業で、現場にはいつもライトバンで出かけますが、バカにならないのが駐車場代です。年間数十万円は払っている計算になりますが、それより怖いのがうっかりミス。最後に精算する時、今まで何回、隣の車の料金を払ってしまったことか……。疲れていたり、辺りが真っ暗だったりすると、つい間違えちゃうんですよね」(Yさん)
不可抗力としか言いようがないものの、それなりの大金が一瞬にして消えたのはTさん(30代/女性)だ。
「今年の5月、車検が終わって車を取りに行き、ディーラーから出て500メートルぐらいのところで、後ろから軽トラックに派手に突っ込まれました。結局、そのまま車は廃車です。過失はゼロでしたが、車が古かったので、補償額は雀の涙ほど。車検にかかった十数万円は捨てたようなものです。“せめて車を持って行く時だったら”と、今でも悔しくて……」(Tさん)