最後に今回取材した中で出てきた“ケタ外れの金ドブ”を紹介しよう。その当人の同級生で医師のAさん(40代/女性)が語る。
「私と同じ大学にいたXさんの話です。最初、Xさんは私の1年先輩でしたが、留年して同級生に。しばらく同級生でしたが、さらに留年して後輩になり、結局4回留年しました。私立の医学部ということで、学費は年500万~600万円かかるため、留年だけで2000万円は余計にかかっている計算になると思います。
それでも卒業したXさんでしたが、国家試験は不合格。国試浪人向けの塾に通い始めましたが、この授業料が年間250万円ほどする。しかしXさんは翌年も翌々年も落ち続け、結局10年以上落ち続けたところで医者になるのは諦めました。計算すると、大学の学費は7000万~8000万円、国試浪人向けの塾の費用が少なく見積もっても3000万円ですから、合計は軽く1億円オーバー。ウチの医大ではXさんは“伝説の男”です」(Aさん)
金額の多寡はあれ、「お金をドブに捨てる」ような経験をしたことがある人は少なくない様子。覆水盆に返らずだが、同じような経験は二度としたくない、と思う人がほとんどだろう。(了)