世界各国で入国規制の撤廃に舵を切る国が増えている。日本でも10月11日、新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、外国人の個人旅行者の入国が解禁された。記録的な円安も重なり、コロナ前ほどではないけれど、あちこちで多くの外国人観光客を見かけるようになった。なかでも街で目立つのが若い世代の観光客。彼ら/彼女たちの、日本でのお目当てはなにか? 実際に街なかで実際に交流した人たちの声をもとに、その動向を探った。
外国人オタクの熱量がハンパない
IT企業に勤める30代男性・Aさんは、東京・秋葉原近辺に住んでいる。漫画・アニメ好きなこともあって、秋葉原にはよく散歩に出かけるが、「コロナ前の光景が戻ってきた」と笑う。
「日本製の一眼レフカメラを首にかけて、楽しそうにショッピングしている人たちをよく見かけるようになりました。YouTuberみたいな若い外国人が、カメラを持って何かを撮影しながらマイクにナレーションを吹き込んでいる姿も見ます。コロナ前との印象の変化をあげるなら、どうも欧米諸国の人たちが多くて、中国人などアジア系の人が少ないことでしょうか」(Aさん)
Aさんは外国人から道を尋ねられ、道中で会話することもあった。そのなかには、20代で、日本に初めてやってきたというアメリカ人男性もいた。
「『昔から日本が大好きで、絶対に行きたかった。(円安の)今がチャンスだと思った。思い切って仕事をやめたんだ』と笑っていました。チャンスとはいえ、仕事をやめるほどとは……。彼は日本の漫画やアニメ、ゲームにも詳しくて、ウキウキの様子でフィギュアやプラモデルを扱うお店に入っていきました。熱量に圧倒されました(笑)」(Aさん)