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老後の節約生活に潜む落とし穴の数々 「自炊で食品ロス」「ポイ活で浪費」の本末転倒

定年後に「やってはいけない」家計術とは(写真:イメージマート)

定年後に「やってはいけない」家計術とは(写真:イメージマート)

 仕事も子育ても落ち着いて、「第二の人生」を気持ちよくスタートさせた……はずだったが、知らないうちに老後資金がどんどん減っていっているケースは少なくない。長い老後に備えて、虎の子の貯金を減らさないためにはどうすればいいのか。専門家に「やってはいけない」ことを教えてもらった。

 都内在住の女性・Aさん(47才)は今年の8月、2年ぶりに岩手県の実家に帰って仰天した。

「リビングや廊下に開けていない段ボール箱が山のように積まれていました。開けてみたら、サプリメントや健康食品でした。聞けば母親が“いま買うとお得”という言葉にのせられて通販で買い物をしまくったものの、買っただけで満足して開けてすらいなかったんです。

 しかも“定期購入でずっと届いているけれど、解約の仕方がわからない”と言って、もう1年以上もお金を無駄にしていました。50万円近くは支払っています。母は70才まで働いていましたが退職して暇になり、通販にハマったみたいで……」

 母親は買い物のために貯金まで取り崩していたという。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは、定年後のお金の使い方について注意を促す。

「年金支給額が下がってきているうえ、この物価高ですから影響は大きい。働けなくなってからが老後のスタートです。できるだけ出費を抑えることを心がけましょう」

 まず気をつけたいのが金銭感覚の見直し。定年後も現役時代と同じ感覚でお金を使っていたら、老後資金は減るばかりだ。

「水道・光熱費などの固定費の合計を年金から差し引いた金額が生活費になります。厚生年金加入者の年金受給額は夫婦で平均月22万円ほどですから、基本的には20万円で暮らせる生活を目指してほしい。不必要な固定費は極力削っていきましょう」(丸山さん・以下同)

 定年後の固定費でまず無駄な代表格は、固定電話を持ち続けることだ。

「いまは携帯電話で連絡を取り合っていますから、個人宅に固定電話は不要です。しかも、固定電話があると振り込め詐欺にあう可能性も高くなります」

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