老後生活に向けて考えなければならないのが、「住まい」についてだ。生活スタイルに合わせて、住まいを変えようと考える人も多いだろう。千葉県在住の女性・Aさん(64才)はここ最近、悩みがある。
「子供たちも社会人になって巣立っていったので、もう広い一戸建ては必要ない。家を売却して、もっと駅に近くて便利なマンションへの引っ越しを考えています」
定年後の住まいについて、同様のことを検討している人は少なくない。だが、マンション生活は想像していた以上に出費がかさむ。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんが指摘する。
「住居地域の一戸建てなら固定資産税はさほど高くありませんが、便利な商業地域にあるマンションは固定資産税が高くなります。加えてマンションは管理費と修繕積立費がかかる。修繕積立費は年々、上がっていくので、住んでいる間に“お金が足りない”ということにもなりかねません」
いまの家をリフォームする際にも、慎重さが必要だ。
「つい過度なオプションをつけてしまうケースが多い。プロがすすめているからといって、うのみにするのは禁物です。最初に予算をしっかり提出する、相見積もりを取るなどして費用を抑えましょう。バリアフリーにする場合など、自治体から補助金が出るかどうかを事前にチェックするのも必須です」(丸山さん)
介護が必要になったときに備えて大規模なリフォームをした挙げ句、高齢者施設などへの入所が必要になる可能性も考慮しよう。