住まい・不動産

定年後の住まい問題 「マンション引っ越し」「地方移住」「二世帯住宅」の落とし穴

終の棲家にタワーマンションを選ぶ人も少なくないという(イメージ。時事通信フォト)

終の棲家にタワーマンションを選ぶ人も少なくないという(イメージ。時事通信フォト)

地方移住しても生活コストは変わらない

 定年後に地方への移住を考える人もいるが、丸山さんはこう注意を促す。

「都会も地方も生活コストは変わりません。地方に行くと車が絶対に必要になりますし、移住先のリフォームにもお金がかかります」

 都内から、関東地方の温泉で有名な土地に引っ越した女性・Bさん(62才)は、こう言ってため息をつく。

「定年後は、家族でよく旅行した山の別荘地に住むのが夢だったので実現させました。でも、地方なら食費も浮くと思っていたけれど、安いのは地元産の野菜くらい。買い物は遠くて不便なうえ、安いスーパーもディスカウントストアもないから、かえって高くつきます。庭の手入れも大変だし、虫も多い。“遊びに行くからね”と言っていた友達も全然来てくれないし……。旅行で来るだけにしておけばよかったと心底後悔しています」

 だからといって、再び都会に戻れば、さらに余計な費用がかかってしまう。子供との同居や二世帯住宅への建て替えを考える人も多いが、安易に実行してはいけない。介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんはこう指摘する。

「自分が90才になったら子供は60才、100才なら70才。老老介護で子供に過度な負担をかけてしまいます。また、現行の介護保険では、同居の場合は家事援助の基準が厳しくなったり、特別養護老人ホームへの入居の順番が回りにくくなるなどのデメリットもあります」

 同居が原因で、子供夫婦が不仲になるのもよくある話だ。安易に二世帯住宅を選択することは、精神的にもよくないのだ。

※女性セブン2022年12月8日号

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。