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急速に進む銀行の店舗削減 「1~2時間待ちは当たり前」と利用者から不満の声も

 数字で示される以上に、店舗再編のインパクトは大きい。

 メガ3行のホームページを見ると、“移転”と称する店舗の統廃合事例がずらりと並ぶ。移転とはいうものの、A支店の移転先が遠く離れた別の街のB支店であるケースなどがあり、支店名は残るが従来の店舗は存在しない、いわゆる「店舗内店舗化」が進む。

 銀行店舗の減少だけではない。全銀協の調査によると、ATMやCD(キャッシュディスペンサー)の台数も減っており、減少率は過去20年間で21%に達するという。キャッシュレス化の加速に伴い、今後もさらなる削減が見込まれている。

 こうした銀行の現状に対して、経済ジャーナリストの森岡英樹氏はこう指摘する。

「日銀による超低金利政策が続き、銀行の収益は圧迫され続けています。そのため、一刻の猶予もなく、抜本的な経営改革を迫られている。そうしたなか、利用者が不便を強いられるケースが増えたのは、人員減の影響が大きい。

 特にメガ3行は新規採用の抑制などを含めて2024年度までに計3万人超の人員削減を進めています。対面での単純な取引は不採算部門と位置付けられ、支店の人員や陣容も縮少し続けている。利用者の応対に使う時間をできるだけ減らそうと、ATM、スマホやネットでの取引に誘導し、店舗の運営コストを落としたいのが本音ではないでしょうか」

第2回につづく

※週刊ポスト2022年12月9日号

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