ネット通販やキャッシュレス決済が一般的になり、以前よりもクレジットカードを利用する機会が増えている。一方で、フィッシング詐欺や個人情報の漏洩などといったリスクも高まるなか、多くのカード会社では不正検知システムを導入。カードの悪用を防ぐため、不審な利用を検知したら、自動で一時的に利用停止されるようになっている。
ネット通販全盛時代、もしカード情報が漏れていた場合、気づかぬ間にカードが使われているという被害も想定され、自動での不正検知システムは利用者にとってありがたいものだろう。しかし一方で、この不正検知システムの存在に「困っている」利用者もいるようだ。
都内に住む会社員・Aさん(40代男性)は、日常的にクレジットカードを活用している。ネット通販はもちろん、外食をする際やコンビニなどでも、支払いはカードで行うことがほとんど。しかし、ネットで電子書籍を購入した際、なぜかカードでの決済ができなかったことがあったという。
「アマゾンで、週刊漫画誌の電子版をクレジットカード決済しようとしたら、決済ができないというメッセージが表示されたことがありました。
実はその数か月前、同じカードで利用していた別の通販サイトで、個人情報漏洩事件があったんです。カード番号は流出しなかったというんですが、もしかしたらログインアカウントとパスワードが流出していて、そういった情報から、何らかの方法で自分のカード情報に行き着いて、誰かに不正利用されたのではないかと急に不安になってきて……。そこでアマゾンに問い合わせたら、カードがロックされている可能性が高いという返答でした。ロックされた理由については教えてもらえず、すぐにカード会社に連絡しました」(Aさん)
深夜だったが、Aさんはカード会社のカスタマーセンターに電話した。
「オペレーターの方がすぐに対応してくれました。その時教えてもらった情報としては、アマゾンでの数百円の決済は、不正利用によくあるパターンなので、そういう決済に対してカードがロックされてしまう場合があるというんです。実際に怪しい利用があったわけでも、カード情報が盗まれていたわけでもないことがわかり、ひとまず安心しました。その電話でロック解除をお願いして、数分後普通に使えるようになりました。
でも、情報流出でも限度額問題でもなく、カードがロックされるというのは、不安を煽られますし、いちいちカスタマーセンターに電話してロックを解除してもらわなければならないのは、面倒です」(Aさん)